「指差しが出ていない」と言われて不安になったママへ【我が子の現在地を確認してみよう】
「指差しが出ていませんね」と言われて心がざわついたママへ

1歳半健診や発達相談で、指差しがでてないと言われて、不安になったことはありませんか?
「うちの子、大丈夫かな」
「ことばが遅いってこと?」
「私の関わり方が悪かったのかも…」
そんなふうに、自分を責めたり、焦ったりしてしまうママの声を、たくさん聞いてきました。
でも、まずは知っておいてほしいのです。
“指差し”は単なる「できると◯」という行動ではなく、心の育ちのサイン。
そして、その子なりのペースで、ちゃんと育っている途中かもしれません。
この記事では、「指差し」の意味や段階、
そしてその土台となる**“三項関係”と“二項関係”**について、
わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。
「我が子の現在地はどこ?」
〜三項関係・指差しの育ちを、いっしょに見つめてみよう〜
第1章:指差しって、どんなサイン?
赤ちゃんが指をさすのは、ただのしぐさではありません。
実は、**「気持ちを伝えたい」「誰かと共有したい」**という、心の成長のサインなんです。
指差しには段階があります
🔹ステップ1:見る・手を伸ばす(6〜9ヶ月頃)
興味のあるものを見つめたり、手を伸ばしたり。
「あれなに?」「気になる!」という心の芽生え。
🔹ステップ2:要求の指差し(9ヶ月〜1歳頃)
欲しいものを指さして「あー」「うー」と声を出す。
「これがほしいよ!」という意思表示。
🔹ステップ3:共感の指差し(1歳〜1歳半頃)
飛行機やワンちゃんを見て「見て!」というような顔で指差す。
「ママと気持ちを分かち合いたい」という心の動き。
🔹ステップ4:質問・確認・応答の指差し(1歳半〜2歳頃)
初めて見るものを指差して、「あれはなに?」とママを見つめる。
探究心やことばへの関心が育ってきた証。
また、ママが「〇〇はどこ?」と聞いた時に、言葉の代わりに「〇〇はここだよ!」と応答できるようになった証。
第2章:「三項関係」ってなあに?
指差しの中でも特に大切なのが、「共感の指差し」。
これは、**「三項関係」**と呼ばれる発達のステップと深く関係しています。
🌱三項関係とは?
「三項関係」とは、
**赤ちゃん(自分)・ママ(相手)・物やできごと(第三の対象)**の、三つの関係がつながっている状態。
たとえば、こんな場面――
公園で飛行機を見つけた赤ちゃんが、それを指さしてママの顔を見る。
ママが「ほんとだ!飛行機さん飛んでるね〜」と返す。
このとき赤ちゃんは、
「飛行機が見えた → ママにも伝えたい → 一緒に感じたい」
そんな心のつながりを育んでいるんです。

第3章:その前に大切な「二項関係」
でも実は、三項関係の前にもっと大切なものがあります。
それが **「二項関係」**です。
☘️二項関係とは?
「自分とママ」「自分と物」の
一対一の関係のこと。
抱っこで安心する ママの顔を見て笑う
おもちゃをじっくり見たり触ったりする
こうしたやりとりを通して、赤ちゃんは
「この人は安心できる」
「このおもちゃ、おもしろいな」
という関係の土台を育んでいきます。
🔄二項関係 → 三項関係へ
たっぷりの二項関係があるからこそ、
「伝えたい」「一緒に見たい」という気持ちが生まれ、
三項関係=“心の三角形”へとつながっていくのです。
だから、指差しが出る・出ないだけにとらわれすぎず、
日々のふれあいや目線の共有、
安心できる関係性、
そして子どもが「知ってる!」という物が増える認知面の育ちを
同時にみていくことが、とても大切です。
第4章:指差し発達チェックリスト
「うちの子、今はどこの育ちのプロセスを楽しんでいるかな?」を見つめるためのチェックリストです。
✅ステップ別チェック
ステップ1:見る・のばす
□ 気になるものをじっと見ている □ 手を伸ばして取ろうとする
□ 視線の先を追うことができる
ステップ2:要求の指差し
□ 欲しいものに向かって手を出す・指差す
□ 声で訴えようとする
□ 大人の反応を見て笑う・うれしそうにする
ステップ3:共感の指差し
□ 見つけたものを指差してママを見てくる
□ 共有できると満足そうな表情になる
□ 何度も伝えようとする姿がある
ステップ4:質問・確認の指差し
□ 初めてのものに「なに?」「あれ?」という顔をする
□ ママに聞くような仕草や視線を向ける
□ 指差し+ことばがセットで出ることも

おわりに:焦らなくて大丈夫。今を大切に。
「指差しが出ていない」と言われたとき、
不安になるのは、それだけ子どものことを大切に思っているから。
けれど、目には見えづらい心の育ちは、日々の暮らしの中でちゃんと積み重なっています。
指差しは、心がつながりたいというサインのひとつ。
ママが
「見てくれてる」
「受けとめてくれてる」
と感じる関わりの中で、子どもは“伝える力”や“ことばの芽”を育んでいきます。
焦らず、我が子の現在地が確認できたら、
今、我が子ができていることを
沢山、たくさん一緒に楽しみましょう。
すると、自然に自分で発達の階段をのぼっていきます。
我が子の成長する力を信じて
今日のふれあいを大切に。
子どもの姿でママが違和感を感じた時、それは赤ちゃんからのSOSサインかもしれません。
早期的に専門家と一緒に赤ちゃんの今やペースを掴むことで、赤ちゃんが健やかに育っていくよう手助けすることもあります。
1人で不安だなと感じたり、
これで本当にいいのかな?
そう思う時はどうぞ迷わずご連絡くださいね。
わが子の今と、我が子のペースをいっしょに見つけていきましょうね。
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