子どもが「寝る前や興奮した時にかむ」理由とは?行動の意味と家庭でできる関わり方

 

 

「寝る前に急にテンションが上がって服をかむ」

「興奮すると肩をかむようになった」

——痛くて咄嗟に怒ったら大泣き…

子どもの行動と対応に戸惑うママは多いかもしれません。

 

でも、それはわが子なりの「気持ちを伝えるサイン」かもしれません。

この記事では、子どものかむ行動に込められた意味を、専門的な視点から読み解き、観察や対応の具体策までお伝えします。

 

子どもの「かむ」行動の意味を探る5つの視点

発達心理学的な視点(自己調整・感情のコントロール)

•子どもは、嬉しい・興奮・不安などの「大きな感情」に直面したとき、それをどう処理するかのスキルがまだ発達途上です。

 

• 特に寝る前というのは、一日を振り返り、感情が湧きやすい時間帯。

その高ぶった気持ちを落ち着けようと、無意識に「かむ」などの感覚刺激を使って自分の感情を整えようとしている可能性があります。

 

→かむことで得られる強い感覚刺激(プロプリオセプティブ入力)は、身体と心を落ち着ける役割を果たししていることが考えられます。

 

 

感覚統合の視点(感覚刺激の調整)

・子どもによっては、「口の中の感覚」(口腔感覚)や「身体の深部感覚」(固有受容感覚)に強く頼る傾向がある場合があります。

 

・これは**「感覚統合の発達段階」の一つとして見られるもので、手持ち無沙汰なときや、状況が切り替わるタイミングで感覚的な安心を得ようとする**行動とも言えます。

 

→嬉しさ・興奮 → 感覚が過剰になる → かむことでバランスを取る、という構図も考えられます。

 

 

生活リズム・睡眠準備の視点

・寝る前の「切り替え」がうまくいっていない可能性もあります。

 

・日中の楽しい体験や刺激が頭の中に残っていて、心はまだ活動モードなのに、体は休息モードに入ろうとしている…というギャップが、「かむ」という行動で現れていることがあります。

 

→睡眠前のルーティンや、照明・音・体の姿勢などを見直すことで、切り替えがスムーズになることがあります。

 

 

情緒の発達・愛着の視点

・一見“嬉しい時”に見える行動でも、親との別れ(就寝=離れる)に対する寂しさや不安が背景にあることも。

 

・愛着の強い対象(ママやパパ)と離れることへの不安を、自分の身体に働きかける(かむ)ことで落ち着けようとしている可能性も考えられます。

 

→特に、生活の変化があった直後などはこの傾向が強まることがあります。

 

 

神経発達・行動観察の視点

・繰り返し強くかむ行動や、眠気が来ているのに落ち着けない

 

・入眠に時間がかかるという場合は、発達の特性を含めて慎重に観察していくことも大切です。

 

→かむ頻度・強さ・場所などを記録しておくと、専門家への相談時に役立ちます。

 

 

観察記録の4つの視点と書き方のコツ

子どもを観察して記録することは、問題行動を探すためではなく、気持ちのサインを読み取り、関わりを見直すための大切な手がかりです。

 

視点・見るポイント・記録例をご紹介します。

 

① いつ?

日時・前後の状況

6/7 20:30 寝かしつけ直前

 

 

② 何があった?

行動・表情・周囲の状況

服をかんでいた、ジャンプしていた

 

 

③ どう関わった?

声かけ・環境調整など

暗くして、抱っこで語りかけ

 

 

④ その後どうなった?

変化・気持ちの落ち着き

数分で落ち着き、就寝

 

 

 

ポイント!

短く端的にだけでOK!

ノートでも、携帯のメモでもOK!

毎日書けなくても、週に3回だけでもOK!

頭の中で、事実をそのまま覚えておくことはとても難しいので、書き出してみることで、客観的に観察でき、尚且つ継続的に観ることで子どもの本当のSOSに気づきやすくなります。

無理ない範囲で続けてみてくださいね。

 

おうちでできる3つの実践

 

寝る前のスキンシップルーティン

🔸やってみること:

• 寝る前に10分だけ

心と身体を我が子に向ける時間をつくる。

• 暗めの照明の中で、「今日は○○だったね」「楽しかったね」と語りかけながらスキンシップ。

🔸意識すること:

• 体と心の「興奮モード → おやすみモード」への切り替えをサポート。

• 抱っこで口を使わなくても「落ち着ける」という経験を積めるように。

 

「かんでもいいもの」を準備する

🔸やってみること:

• 肩や服ではなく、かんでもOKなもの(例:シリコン製おもちゃ、ガーゼ素材のタオル、ぬいぐるみの手など)を「おやすみのおとも」として準備。

• 「これ、ギューして寝ようね」「お口がムズムズしたらこれ使っていいよ」と言語化して渡す。

🔸意識すること:

• 禁止ではなく「切り替える」選択肢を提示。

• 親や自分の身体以外の安心ツールを見つけるきっかけに。

 

おうちでも「指差し」「ことばの芽」を育む小さな習慣

🔸やってみること:

• 例えばお風呂や食事中に「〇〇どこ?」「わんわんいるね」などと、一緒に見つけて指差す遊び。

• 日常の「ママの言葉」と「視線・ジェスチャー」を意識的にセットで使う。

🔸意識すること:

• 三項関係の土台をつくり、伝えたい気持ちが「かむ」以外でも表現できるようになる手助けに。

• 言葉が出ていない今だからこそ、非言語的コミュニケーションの土台づくりを大切に。

 

 

まとめ:親子で歩む観察と実践のサイクル

ママがそばで見守り、受け止めながら「自分ができること」を模索することが、子どもにとって最大の安心です。以下のサイクルをぜひ参考にしてみてください。

1. 我が子を観察して、サインに気づく

↓↓↓↓

2. 関わり方を実践してみる

↓↓↓↓

3. 自分にも子どもにも無理がないかを確認

↓↓↓↓

4. あっていれば継続、合わなければ別の関わりを試す

↓↓↓↓

5. 週間や1ヶ月ごとに振り返り、変化に気づく

 


「理解はできるけど、我が子と自分に合う方法が分からない」

「一人でやるのは難しい…」

というときは、迷わず相談してくださいね。

⇨らもりーるのオンライン相談

 

 

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